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特許庁は、外国へ特許、実用新案、意匠又は商標の出願を予定している中小企業等に対し、外国出願にかかる費用の半額を助成する事業(中小企業等外国出願支援事業)を行っていますが、平成30年度の同事業の公募が5月から7月にかけて開始されます。 外国で特許権などを取得するには、翻訳費用や現地代理人費用などが発生し、中小企業にとっては大きな負担となりますので、外国での事業展開を計画する場合には、同制度の利用を検討してみましょう。 今号では、中小企業等外国出願支援事業の概要について紹介します。 ┏━┳━┳━┳━┳━┳━┓ ┃知┃財┃基┃礎┃講┃座┃ ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■弁理士が教える特許実務Q&A■ (5)特許調査の方法 【質問】 以前ライバルメーカーが特許を取得したので同様の製品は製造しないことにしてきました。何年か経過したので、もうそろそろ特許が無くなったのではないかと思われるのですが、調べることはできますか?また、その後、ライバルメーカーが特許出願を行っているならば、その内容を調べることはできますか? 【回答】 特許出願人、特許権者の名称がわかっている場合には特許庁のJ-PlatPatを利用してどのような特許出願、特許権を所有しているか、等々を簡単に調べることができます。今回は特許庁のJ-PlatPatを利用した簡単な調査方法について説明します。 <J-PlatPat> 特許庁は1999年3月から「特許電子図書館」サービスを提供していました。これは、特許に関する種々の情報をインターネットを利用してだれでもが簡単に入手できるようにしたものです。この「特許電子図書館」を2004年10月に独立行政法人 工業所有権情報・研修館が引継ぎ、2015年3月から「特許情報プラットフォーム」(J-PlatPat)と改称してサービス提供しています。 日本で特許制度が創設された明治以降に発行された特許、実用新案、意匠、商標の公報等約11,000万件とその関連情報について、無料で、検索・利用できます。 なお、特許などに関する基本的な情報を標準的な形で検索・利用できるという目的と役割に沿ったものに制限するべくJ-PlatPatでは一般的な検索ツールには採用されていないルールがいくつかあり、「利用上のご案内」で説明されています。 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/doc/notice.html 利用方法を詳しく知りたい方はマニュアルをご参照ください。 http://www.inpit.go.jp/j-platpat_info/reference/index.html <特許番号からの検索> J-PlatPat のトップページは次のようになっています。 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage 「特許・実用新案、意匠、商標の簡易検索」 このトップページで、いきなり、「特許・実用新案を探す」ということで、「特許・実用新案についてキーワードを入力して簡易検索ができます」。 「特許・実用新案番号照会」 しかし、初心者であっても、このトップページの上側に表示されている「特許・実用新案」、「意匠」、「商標」、「経過情報」のボタンの上にポインタを合わせて検索を進めることができます。 「特許・実用新案」の上にポインタを合わせると、「1.特許・実用新案番号照会」、「2.特許・実用新案検索」、・・とプルダウンメニューが表示されます。 そこで「1.特許・実用新案番号照会」を選択しますと次のような画面が表示されます。 特許番号がわかっている場合には「種別」が「特許公報・公告特許公報(B)」になっている「番号」入力欄に半角で特許番号を入力し「照会」ボタンをクリックすることで次のような「照会結果一覧」画面になります。 ここで閲覧を希望する番号の公報をクリックすると次のような画面になります。 「詳細な説明」ボタンをクリックすると明細書が表示されます。また、この画面で「経過情報」ボタンを押し、更に、「登録情報」ボタンを押すこと等によって、特許権が現存しているのか、消滅しているのかを確認することができます。 「特許・実用新案番号照会」の最初の画面では、「種別」の欄に表示されているのは上から順に「公開・公表特許公報(A)」、「特許公報・公告特許公報(B)」、「特許審判番号」だけです。 特許出願番号しかわかっていないものを「特許・実用新案番号照会」で探すときには、「種別」の欄でプルダウンメニューにより「種別」を「出願番号」に切り替え、「番号」の欄に特許出願番号を入力して「照会」ボタンを押すことで検索できます。 「特許・実用新案検索」 会社の名称を入力してその会社による特許出願や特許を検索したい場合にはJ-PlatPat のトップページで上側に表示されている「特許・実用新案」の上にポインタを合わせ、「1.特許・実用新案番号照会」、「2.特許・実用新案検索」、・・とプルダウン表示される中の「2.特許・実用新案検索」を選択しますと次のような画面が表示されます。 この画面で、下側の「検索項目」の欄で、プルダウンメニューで「検索項目」を「出願人/権利者/著者所属」にし、「検索キーワード」の欄に目的とする会社名称「株式会社○○○」を入力し、「検索」ボタンを押して検索できます。 「特許・実用新案番号照会」でも「特許・実用新案検索」でも、画面の上側に「ヘルプ」ボタンがあります。ここを押して入力方法を確認しながら利用できます。 なお、J-PlatPatは本年3月12日から大幅に機能拡充されて新リリースされました。従来と使い方が異なっているところもあり、特許庁から“J-PlatPat「特許・実用新案検索」の操作方法に関するFAQ”が公表されていますのでご参照ください。 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/NEWS/20180329_01.pdf 次回は、発明品を世の中に出してしまってからでも特許出願を行って特許取得可能なのか、発明品を世の中に出す前に特許出願するのが原則ですが、その例外となり得る事情について紹介します。 以上
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ニューストピックス■ ●外国出願にかかる費用の半額を補助● 平成30年度中小企業知的財産活動支援事業費補助金 (中小企業等外国出願支援事業)の概要 特許庁は、中小企業の戦略的な外国出願を促進するため、外国への事業展開等を計画している中小企業等に対して、外国出願にかかる費用(外国特許庁への出願料、国内・現地代理人費用、翻訳費用等)の半額を助成する事業を行っています。 東京都知的財産総合センターと独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)が窓口となり、全国の中小企業が支援を受けることができます。 特許庁HP http://www.jpo.go.jp/sesaku/shien_gaikokusyutugan.htm 東京都知的財産総合センターHP https://www.tokyo-kosha.or.jp/chizai/josei/boshu_setsumeikai_H30_1.html 日本貿易振興機構(ジェトロ)HP https://www.jetro.go.jp/services/ip_service_overseas_appli.html ◎助成対象の経費 1.外国特許庁への出願手数料 特許・実用新案……各国への直接出願費用、PCT国際出願の国内移行費用 商標……各国への直接出願費用、マドプロ出願費用 意匠……各国への直接出願費用、ハーグ出願費用 (日本国特許庁に支払う費用、国内外消費税等については助成対象外) 2. 1.に要する国内代理人・現地代理人費用、翻訳費用 ◎補助率・上限額 補助率:1/2 上限額:1企業に対する上限額:300万円(複数案件の場合) 案件ごとの上限額:特許150万円 実用新案・意匠・商標:60万円 冒認対策商標:30万円 (冒認対策商標:第三者による抜け駆け出願(冒認出願)の対策を目的とした商標出願) ◎応募資格 各都道府県の中小企業支援センター等の管内に事業所を有している「中小企業者」または「中小企業で構成されるグループ」(構成員のうち中小企業者が3分の2以上を占め、中小企業者の利益となる事業を営む者)で、応募時に日本国特許庁に対して特許、実用新案、意匠、商標の出願を既に行っており、採択後に同内容の外国出願を年度内に出願(PCT国際出願に基づく国内移行及びマドプロ出願、意匠のハーグ出願を含む)を行う予定であること。 ただし、ハーグ協定に基づく国際出願の場合、ハーグ出願時に日本国を指定締約国として含む場合は、外国特許庁への基礎となる先の国内出願がなくても対象となります。 ◎選定基準 先行技術調査等の結果からみて外国での権利取得の可能性が明らかに否定されないこと。 助成を希望する出願に関し、外国で権利が成立した場合等に、「当該権利を活用した事業展開を計画している」又は「商標出願に関し、外国における冒認出願対策の意思を有している」中小企業者等であること。 公募期間や申請方法等の詳細については、都道府県中小企業支援センターによって異なります。申請にあたっては、事前に中小企業支援センター等まで御確認・お問い合わせください。 ●海賊版サイトのブロッキングを要請(知的財産戦略本部) 政府の知的財産戦略本部は、漫画やアニメなどをインターネットに無断で公開している「海賊版サイト」について、悪質なサイトは、プロバイダー(接続業者)が利用者のネット接続を遮断(サイトブロッキング)するのが適当とする見解を示した緊急対策をまとめました。著作権侵害を防ぐ狙いで、民間事業者に自主的な対応を要請しています。 緊急対策では、被害額が大きい3つのサイトを対象に、悪質なサイトに限って閲覧できないようにするブロッキングを行うべきだとしたほか、新たな海賊版サイトにブロッキングを行うため、官民の協議体を設置して適用基準などを検討します。 一方、サイトブロッキングをめぐっては、明確な法的根拠がなく、「通信の秘密」などを定めた憲法に抵触するとの指摘があります。また、インターネットプロバイダーなどで作る団体は「利用者のアクセスの常時監視につながる」として反対しています。 知財本部では、今回の対応は緊急避難としての措置だとしたうえで、今後、ブロッキングを行うための法整備を検討するとしています。 ●「醤油卓上瓶」が立体商標に登録(キッコーマン) キッコーマンは、1961年より販売している「醤油卓上瓶」が立体商標として登録されたと発表しました(登録番号 第6031041号)。 立体商標制度は、立体的な形状を「商標」として登録し、保護する制度で、商品そのものの外観や、商品の包装容器の形状、立体的な看板、キャラクターを人形や置物のように立体化したものなどが対象となります。 これまで登録された立体商標は、立体物に文字やロゴなどの図形が印刷されているものが多いのですが、「醤油卓上瓶」は、文字や図形が表示されていない食品容器として登録された数少ない例だとしています。なお、文字は表示されていませんが、瓶の中に醤油が入っている状態であるように見受けられます。 文字や図形のない食品容器が立体商標として登録された代表的なものには、コカ・コーラの「コンツアーボトル(ガラス製ボトル)」、ヤクルトの「ヤクルトプラスチック容器」があるとされています。 同社の「醤油卓上瓶」は、工業デザインの先駆者として世界的に有名なデザイナー、故・榮久庵憲司氏によって設計されました。そそぎ口のカッティングの工夫により、「液だれしない」という技術的な効果も備えており、1961年の発売以来、50年以上、そのデザインを守り続けています。 ●類似の収納棚訴訟、二審も良品計画が勝訴(知財高裁) 生活雑貨ブランド「無印良品」を運営する良品計画が、自社商品に類似した収納棚を販売したとして、大手ホームセンター「カインズ」に販売差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決が知財高裁でありました。平成29年(ネ)第10083号(平成30年3月29日判決言渡) 判決では、類似性を認めて販売差し止めと商品の廃棄を命じた一審・東京地裁の判決を支持、カインズ側の控訴を棄却しました。 カインズ側は、「無印の棚の形状は特徴的ではなく、機能上、支柱の構造などが似てしまうのは仕方がない」と主張しました。判決では「細い棒を2本束ねた支柱や、揺れを抑えるためのX状の棒を組み合わせている点で独自の特徴が認められる」と指摘したうえで、「良品計画の棚のような構造を採用しなくても棚は製造できる」などとしてカインズ側の主張を退けました。 一審・東京地裁の判決では、良品計画の商品形態が消費者の間において商品表示として広く認識されており、これと類似する形態のカインズ商品は、消費者の間で誤認混同を引き起こすとして、不正競争防止法違反を理由に、カインズ商品の販売の差し止めを命じました。 ●「堂島ロール」の類似品に賠償命じる(大阪地裁) 大阪発祥の人気ロールケーキ「堂島ロール」を製造・販売する「モンシェール」が類似商品で商標権を侵害されたとして、大阪市の菓子会社「堂島プレミアム」側にロゴマークの使用差し止めなどを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は、使用差し止めと損害賠償を命じる判決を言い渡しました。 プレミアム側は「堂島は地名であり、商品名の文字数や書体も大きく異なる」と主張しましたが、判決では、「堂島プレミアムロールのロゴは消費者に『高品質な堂島ロール』という印象を与える」と指摘。そのうえで、「二つの商品ロゴは類似し、価格もほぼ一緒であり、消費者が混同する恐れがある」と判断しました。 判決などによると、モンシェールは堂島ロールを平成19年に商標登録。堂島プレミアムは24年6月の設立以降、「プレミアムロール」名の商品を販売しましたが、商標登録の申請は堂島ロールとの誤認の恐れがあるとして退けられています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5月10日 AP秋葉原 技術契約セミナー「知っておきたい技術契約の基礎知識とポイント」 (東京都知的財産総合センター) 5月25日 AP秋葉原 ノウハウ管理セミナー 「営業秘密の保護と管理のポイント」 (東京都知的財産総合センター) ******************************************************** 発行元 : 鈴木正次特許事務所 〒160-0022 東京都新宿区新宿6‐8‐5 新宿山崎ビル202 TEL 03-3353-3407 FAX 03-3359-8340 E-mail: URL: http://www.suzuki-po.net/ ******************************************************** 本メールの無断転載はご遠慮下さい。 本メールマガジンの記載内容については正確を期しておりますが、弊所は、利用される方がこれらの情報を用いて行う一切の行為について責任を負うものではありません。 |