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◇◆◇ 鈴木正次特許事務所 メールマガジン ◇◆◇
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2023年3月1日号


  本号のコンテンツ


 ☆知財講座☆

 ■弁理士が教える特許実務Q&A■

(75)拒絶査定不服審判請求(2)
 〜審判請求時の特許請求の範囲の補正、前置審査〜


 ☆ニューストピックス☆

 ■商標の「コンセント制度」を導入(特許庁)
 ■審査請求料の減免制度を改正(特許庁)
 ■AIの安全性評価の研究機関を設立(経済産業省)
 ■将棋の棋譜、著作権を認めず(大阪地裁)
 ■漫画の海賊版被害、24.6%減(一般社団法人ABJ調査)
 ■特許庁、途上国のスタートアップ支援
 ■J-PlatPatの機能改善(特許庁)
 ■「不正競争防止法テキスト」の最新版を公表(経済産業省)

 本年4月1日より商標の「コンセント制度」が導入されます。
 「コンセント制度」とは、他人の先行登録商標と同一又は類似の商標が出願された場合であっても、先行登録商標の権利者による同意があり、なおかつ、先行登録商標との間で混同を生じるおそれがないならば、両商標の併存登録を認める制度(留保型の併存合意制度)です。
 今号では、「コンセント制度」の概要を取り上げます。

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┃知┃財┃基┃礎┃講┃座┃
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■弁理士が教える特許実務Q&A■

(75)拒絶査定不服審判請求(2)
 〜審判請求時の特許請求の範囲の補正、前置審査〜

 前回に引き続いて拒絶査定不服審判請求について紹介します。

<拒絶査定不服審判請求時に行える特許請求の範囲の補正>
 特許出願について拒絶査定不服審判を請求する場合、出願人は、審判請求と同時にするときに限り、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正できます(特許法第17条の2第1項第4号)。特許庁ウェブサイト「拒絶査定不服審判の請求についての審理」では次のように説明されています。
https://www.jpo.go.jp/system/trial_appeal/document/sinpan-binran/61-05.pdf

<A.特許請求の範囲の補正で許容される目的>
 拒絶査定不服審判請求時に行う「特許請求の範囲」の補正は以下のア〜エのいずれかを目的にするものに限られています(特許法第17条の2第5項)。
 ア 請求項の削除
 イ 請求項の限定的減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)
   なお「請求項の限定的減縮」を目的とする特許請求の範囲の補正については、補正後の請求項に記載されている発明が、特許出願の際に、新規性、進歩性などの特許要件を具備していて特許可能であることが要求されます(独立特許要件)(特許法第17条の2第6項、特許法第126条第7項)。
 ウ 誤記の訂正
 エ 拒絶理由に示す事項についてする明りょうでない記載の釈明

<B.新規事項追加不可>
 拒絶査定不服審判請求時に行う補正についても、それまでに行う補正と同じく、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でない新規事項を追加する補正はできません(特許法第17条の2第3項)。

<C.シフト補正の禁止>
 拒絶査定不服審判請求時の補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについて判断が示された発明をそれと技術的特徴の異なる別発明に変更する補正はできません(特許法第17条の2第4項)。

<要件を満たしていない補正の取り扱い>
 拒絶査定不服審判請求時に「特許請求の範囲」について行った補正が上述したA、B、Cの要件を満たしていない場合、その補正は却下されます(特許法第159条第1項、特許法第53条)。

<拒絶査定不服審判と「同時」に行う補正>
 拒絶査定不服審判請求するときは「審判請求と同時にするときに限り、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正」できます(特許法第17条の2第1項第4号)。
 この「同時」について、「特許の拒絶査定不服審判請求に伴う補正の時期的要件の『同時』とは『同日』のことですか。オンライン手続でも『同日』に提出をすれば良いですか?」という質問に対して特許庁ウェブサイト「拒絶査定不服審判Q&A」では次のような説明が行われています。
https://www.jpo.go.jp/faq/yokuaru/shinpan/document/index/01.pdf
 「拒絶査定不服審判請求に伴う明細書等の補正については、『同日』ではなく、審判請求と『同時』に手続をする必要があります。特許の拒絶査定不服審判請求と補正書を、同時に提出しなかったときには、当該補正は却下され、当該審判請求は、(後述する)前置審査を経由せずに審判官合議体が補正前の内容について審理を行うことになります。したがって、補正書は、必ず審判請求と同時に提出するように気をつけてください。」

<前置審査>
 拒絶査定不服審判請求の中で、審判請求時に、明細書等について補正があったものは、審判官合議体による審理に先立ち、再度、審査に付されることになっており、これを「前置審査」といいます(特許法第162 条)。特許審査基準に記載されている「前置審査」の項目を参照して説明します。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/document/index/01_0207bm.pdf

 拒絶査定不服審判において拒絶査定が覆るものの大部分は、拒絶査定を受けた後に特許請求の範囲について補正がされたものであるという実情があります。この実情を考慮して、拒絶査定不服審判請求時に特許請求の範囲が補正された場合に、まず、その拒絶査定をした審査官が再審査を行うようにしたものです。
 拒絶査定を下した審査官であれば、当該特許出願の内容や拒絶理由の妥当性について新しく最初から検討開始する審判官よりは、その出願に対する知識を十分に活用して、拒絶査定不服審判請求時に行われた「特許請求の範囲」に対する補正によって拒絶査定の理由(=拒絶理由)が解消されたかどうかを、容易かつ迅速に判断することが可能です。
 そこで、審判官が処理すべき事件の件数を減らし、審判の促進を図るという趣旨で、拒絶査定不服審判請求時に特許請求の範囲が補正された場合には、その拒絶査定をした審査官が再審査するようにしたものです。
 拒絶査定不服審判請求と同時に明細書、特許請求の範囲を補正する手続補正書を提出しますと、直ちに、特許庁から「前置審査移管通知」が届きます。これが、審判官合議体による審理に先立って前置審査が行われる、という特許庁からの通知になります。

<前置審査の手続>
 前置審査では、審査官は、原査定(拒絶査定)の理由が解消されたと判断し、他に拒絶理由を発見しない場合は、原査定を取り消し、特許査定をすることになります。
 一方、「原査定を取り消し、特許査定をする」とできない場合、審査官は、原則として、前置報告をすることになっています。前置審査を行った審査官が前置報告しますと、拒絶査定不服審判請求は審判官合議体に移管されて審理されるようになります。
 なお、この場合、「前置審査解除通知」が特許出願人(あるいはその代理人弁理士)に届きます。「前置審査解除通知」が届くことで、特許出願人は、「拒絶査定不服審判請求時の補正では拒絶理由が解消されない」と拒絶査定時の審査官が判断したことを理解できます。
 上述したように、前置審査では「原査定を取り消し、特許査定をする」あるいは「前置報告をする」対応になりますが、以下の(1)又は(2)に該当する場合、前置審査を行っている審査官は、拒絶理由を通知し、特許出願人に意見書提出・補正書提出の機会が与えられることになっています。

(1) 審判請求時の補正が適法であり、原査定の理由は解消されたと判断したものの、新たな拒絶理由を発見した場合であって、発見した新たな拒絶理由が、その補正によって新たに通知する必要が生じた拒絶理由のみである場合。前置審査は拒絶査定に至るまでの審査をやり直すものではないため、発見した拒絶理由が、拒絶査定不服審判請求時の補正によって新たに通知する必要が生じた拒絶理由のみである場合に限り、拒絶理由が通知されることになっています。
(2) 解消していないと判断した原査定の理由又は新たに発見した拒絶理由を解消するために請求人がとり得る対応を審査官が示すことができる場合であって、請求人との間で意思疎通を図った結果、合意が形成された場合。

<拒絶査定不服審判の中で前置審査に進む割合>
 以下の表は「特許行政年次報告書2023年版」の掲載内容に基づいて近年の拒絶査定不服審判請求事件の中で前置審査に進んだ件数などをまとめたものです。なお、年次報告書に掲載されている件数は確定した数字ではありませんのであくまでも概要を把握する数字であるとご理解ください。
https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2023/index.html

<拒絶査定不服審判請求、前置審査の件数>

 拒絶査定不服審判請求件数前置審査件数前置登録件数前置登録割合審判請求成立割合
2017年18,59116,208 9,80160%69%
2018年16,53614,6428,89360%70%
2019年16,69914,3898,38958%68%
2020年16,89914,8788,71959%70%
2021年16,89414,4668,58859%77%
2022年19,64716,7009,60458%79%

 上述の表のように、拒絶査定不服審判請求事件の中の9割近くが前置審査に進んでいます。そして、前置審査に進んだものの中の6割程度は「原査定を取り消し、特許査定をする」となって特許成立しています。
 上述した表のように、拒絶査定不服審判請求に進んだ場合7割程度が特許成立に至っていますが、その中のほとんどは、前置審査において特許査定になったものです。
 審査段階での拒絶理由に対応する際には、一般的に、できるだけ特許権の効力範囲が広い状態で拒絶理由解消を目指す補正を行います。このため、もう少し踏み込んで補正を行うことで、拒絶理由を解消可能であることが多く、前置審査で「原査定を取り消し、特許査定をする」となることが多いのではないかと思われます。
 この意味で、審査段階の拒絶理由対応で、可能であれば、審査官面接を行う、あるいは、審査官に事前に意見書(案)・手続補正書(案)を提示して検討いただき意見交換の機会を設けていただく等の対応を行うのは意義のあることだと思われます。
 なお、拒絶査定不服審判請求を行う前に拒絶査定を下した審判官に連絡をとって前置審査を受けるための補正内容について意見交換を行う、あるいは、「前置審査移管通知」を特許庁から受けた後に審査官に連絡を取って、拒絶査定不服審判請求時の補正内容について説明させていただく機会を設けるよう依頼する等の対応を行うことも可能です。

<次号のご案内>
 「前置審査解除通知」を受けた後に特許出願人がとり得る対応や、審判官合議体の審理に移行した後の拒絶査定不服審判請求の審理フローについて説明します。

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■ニューストピックス■

●商標の「コンセント制度」を導入(特許庁)

 「不正競争防止法等の一部を改正する法律」(知財一括法)により、本年4月1日から商標の「コンセント制度」が導入されることとなりました。
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/consent/index.html

 「コンセント(consent:同意)制度」とは、他人の先行登録商標と同一又は類似の商標が出願された場合であっても、先行登録商標の権利者による同意があり、なおかつ、先行登録商標との間で混同を生じるおそれがないならば、両商標の併存登録を認める制度(留保型の併存合意制度)です。コンセント制度に係る改正商標法の規定は、令和6年4月1日から施行されます。

 これまで日本では、単に当事者間で合意がなされただけでは併存する類似の商標に関して需要者が商品又は役務の出所について誤認・混同するおそれが排除できない等の理由から導入が見送られてきました。一方、海外においては既に多くの国や地域で、コンセント制度が導入されています。
 また、日本ではコンセント制度に代わり、「アサインバック」(出願人と先行登録商標権者の名義を一時的に一致させる手法)制度が利用されていましたが、アサインバックは、一時的に名義を一致させて拒絶理由を解消させた後、名義を元に戻す名義変更をもう一度行う必要があることから、手続が煩雑となり、時間的・費用的負担も課題となっていました。
 そこで、中小企業等のブランド選択の幅を広げる必要性や、国際的な制度調和の観点から、本年4月1日よりコンセント制度が導入されることになりました。

 日本のコンセント制度は、先行登録商標の権利者の同意があれば両商標の併存登録を認める制度を採用しつつ、他方で、同意があっても、なお出所混同のおそれがある場合には登録を認めない「留保型」となっています。
 改正商標法が施行される令和6年4月1日以降に出願が行われたものについては、先行登録商標権者の承諾を得ており、かつ、先行登録商標と出願商標(両商標)との間で混同を生ずるおそれがないものについては、登録が認められることとなります。また、同日に2つ以上の商標登録出願があった場合にも、コンセント制度の利用が可能となります。

 コンセント制度が導入されると、商標や商品・役務が同一・類似の先行登録商標と後行登録商標の2つが併存するケースが想定されます。そのため、併存登録された商標については、登録後の混同防止を担保するため、一方の権利者の使用により他の権利者の業務上の利益が害されるおそれのあるときに、当該使用について両商標間における混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを他の権利者が請求できる「混同防止表示請求」(第24条の4第1号及び第2号)の規定や、一方の権利者が不正競争の目的で他の権利者の業務に係る商品又は役務と混同を生ずる使用をしたときに、何人もその商標登録を取り消すことについて審判請求できる「不正使用取消審判」(第52条の2第1項)の規定が設けられました。
 なお、上述した混同防止表示請求及び不正使用取消審判の規定は、設定登録前のアサインバックにより、改正法施行時点で併存登録されている商標に対して、改正法施行日である令和6年4月1日から適用されることになっています。

●審査請求料の減免制度を改正(特許庁)

 特許庁は、中小企業等が利用できる特許出願の審査請求料の減免制度について、件数制限を設けると発表しました。本年4月1日以降に審査請求した出願における審査請求料の減免申請に対して、本制度が適用されます。
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/genmen/genmen_240131.html

 改正後は、中小企業等に対する審査請求料の減免制度の適用件数の上限が、一年度(毎年4月1日から翌年3月31日)あたり180件となります。
 特許出願の審査請求料は、減免措置の適用を受けることによって、その費用が半額以下となりますが、近年、一部の企業が審査請求料の減免を、制度の趣旨にそぐわない形で利用している実態があり、件数制限を設けることにしました。
 ただし、小規模・中小スタートアップ企業、大学・研究機関等には、この上限は適用されません。

●AIの安全性評価の研究機関を設立(経済産業省)

 経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、AIの安全性の評価手法などを研究する専門機関を設立しました。
https://aisi.go.jp/

 新たな研究機関「AIセーフティ・インスティテュート(AISI)」は、AI開発や著作権侵害、偽情報の拡散などといったリスクに対する安全性の評価や指標を調査・研究し、国際連携を行うことを目指しています。
 所長には、元日本IBMのAI研究者で、現在は損保ジャパンCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)で京都大学防災研究所客員講師の村上明子氏が就任しました。
 今後、国内外のネットワークを活用して、安全性評価に関する調査や基準の検討、実施手法に関する検討、および他国の関係機関との国際連携などを進める方針です。

●将棋の棋譜、著作権認めず(大阪地裁)

 将棋の指し手を記録した「棋譜」を再現した動画が著作権侵害を理由に削除されたのは不当だとして、男性ユーチューバーが動画の削除を申請した「囲碁・将棋チャンネル」に損害賠償などを求めた訴訟で、大阪地裁は「棋譜情報は公表された客観的事実で、自由利用の範囲に属する」と判断して、囲碁・将棋チャンネル側に削除申請の撤回と約120万円の支払いを命じました。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/676/092676_hanrei.pdf

 男性ユーチューバーは、「囲碁・将棋チャンネル」が放送する将棋の実況中継を基に、自身が作成した盤面に指し手を表示する動画をユーチューブなどで配信。これに対し、チャンネル側は「フリーライドで動画を配信し、広告収入を得ている」として、著作権侵害を理由にユーチューブ運営会社に削除を要請し、配信が一時停止されました。

 著作物(著作権が認められるもの)は、「思想又は感情を創作的に表現したもの」と著作権法で定義されています。棋譜は、対局者がどのように将棋を指したかという事実の記録と考えられます。そのため、棋譜をインターネットに再現した場合、著作権侵害となるかが注目されました。

 大阪地裁の判決では「動画に利用された譜面の情報は、対局者の指し手であり、公表された客観的事実」とし、著作権侵害を否定しました。そのうえで、「動画は著作権侵害でないにもかかわらず、真実に反する内容を告知した」と認定し、チャンネル側の削除申請は不当で、賠償責任があると判断しました。

●漫画の海賊版被害、24.6%減(一般社団法人ABJ調査)

 出版社や著作権団体などで構成する一般社団法人「ABJ」は、漫画の海賊版サイトによる被害額が2023年は推定約3818億円に上ったと発表しました。約5069億円だった2022年から24.6%減少しましたが、ドメインホッピングやサイトデータを流用するなどした新規サイトは続々誕生しており、手口が悪質化しています。
https://www.abj.or.jp

 ABJの発表によると、把握されている出版物の海賊版サイトは2024年1月1日現在で1176サイト。このうち日本人向けは277サイトで、上位10サイトの合計アクセス数は月間1億件を超えて推移しています。
 英語翻訳された海賊版サイトは446サイト。英語以外の各国語に翻訳された海賊版サイトは453サイトで、このうちベトナム語のサイトが160と多数を占めています。

●特許庁、途上国のスタートアップ支援

 特許庁は、WIPO(世界知的所有権機関)との間で、途上国のスタートアップ企業を対象に特許権や商標権など知的財産の管理を支援する協力声明に署名しました。
https://www.meti.go.jp/press/2023/02/20240221004/20240221004.html

 日本はWIPOに途上国の知的財産支援を目的とした基金をすでに設置していますが、ここからおよそ2億円を充て、WIPOが経営や知財の専門家をスタートアップに派遣する取り組みで、約1000社を知財分野で支援するとしています。
 特許庁は、途上国の知財制度を整えることで、日本企業が現地で事業を進めやすい環境づくりをめざす方針です。

●J−PlatPatの機能改善(特許庁)

 特許庁と(独)工業所有権情報・研修館(INPIT)は、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」の機能を改善したと発表しました。

<改善された主な機能>

  • 商標検索及び審決検索における人名検索を完全一致検索から部分一致検索に変更
  • 検索条件を5件まで保存
  • 文献固定アドレスの簡素化(短縮)
  • 「分割出願情報」タブへの表示追加
 機能の詳細は、工業所有権情報・研修館(INPIT)のHP
https://www.inpit.go.jp/j_platpat_info/240213_release.html

●「不正競争防止法テキスト」の最新版を公表(経済産業省)

 経済産業省は「不正競争防止法テキスト」の最新版を公表しました。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/unfaircompetition_textbook.pdf

 テキストは、不正競争防止法の概要や各行為の類型が掲載されており、全体的に不正競争防止法を知りたい方向けの冊子になります。
 改訂版では、本年4月1日に施行される改正不正競争防止法の項目を盛り込んだ最新の内容となっています。

<アップデートされた主な項目>

  • 形態模倣品の提供行為に係る不正競争行為に電気通信回線を通じて提供する行為を追加
  • 営業秘密・限定提供データの保護の拡充(限定提供データの定義の見直し、損害賠償額の算定規定・使用等の推定規定の拡充、国際的な営業秘密侵害に係る手続(裁判管轄・適用範囲)
  • 外国公務員贈賄罪に係る規律の強化(法定刑の引上げ、場所的適用範囲の拡大)


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最終更新日 '24/09/25