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◇◆◇ 鈴木正次特許事務所 メールマガジン ◇◆◇
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2023年5月1日号


  本号のコンテンツ

 ☆知財講座☆

 ■弁理士が教える特許実務Q&A■

(77)拒絶理由に対して意見書と共に提出する実験報告書

 ☆ニューストピックス☆

 ■「特許庁ステータスレポート2024」を公表(特許庁)
 ■「AI(人工知能)を利活用した創作の特許法上の保護の
  在り方に関する調査研究」の調査結果を発表(特許庁)
 ■中国の「商標ブローカー」に勝訴(美容機器のMTG)
 ■営業秘密の侵害、過去2番目に多い摘発(警察庁)
 ■米グーグルに行政処分、広告配信制限の疑い(公取委)
 ■海賊版サイトの元運営者に17億円賠償命令(東京地裁)
 ■「事例から学ぶ 商標活用ガイド2024」を作成(特許庁)

 「特許庁ステータスレポート2024」が公表されました。ステータスレポートは、特許庁が最新の知的財産権 (特許、実用新案、意匠、商標) の出願、審査、訴訟などに関する統計情報を取りまとめた報告書です。
 今号では、ステータスレポートの中から2023年の特許・意匠・商標の出願状況と審査期間を紹介します。

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┃知┃財┃基┃礎┃講┃座┃
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■弁理士が教える特許実務Q&A■

(77)拒絶理由に対して意見書と共に提出する実験報告書

【質問】
 特許出願の審査で拒絶理由通知を受けました。意見書を提出して反論し、審査官に再考を求める際、意見書での主張内容を裏付ける目的で、これから実験を行い、その実験結果の報告書を添付して提出したいのですが、このようなことはできますか?

【回答】
 拒絶理由通知を受けて意見書・手続補正書を提出する際に、意見書での主張内容を裏付ける目的で実験報告書(以下では特許審査基準の記載に合わせて「実験成績証明書」といいます。)を添付することは可能です。その際に注意すべき事項を特許審査基準に説明されているところに従って紹介します。

<審査での意見書及び実験成績証明書の取扱い>
 特許庁が公表している「特許・実用新案審査基準」では、審査での意見書及び実験成績証明書の取扱いが「第I部 審査総論 第2章 審査の手順」の「第4節 意見書・補正書等の取扱い」に記載されています。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/document/index/01_0204.pdf

 審査官は、拒絶理由を発見した場合、所定の期間を指定して拒絶理由を通知しなければならず、拒絶理由通知を受けた特許出願人は、意見書を提出し(特許法第50条)、また、指定された所定期間内であれば、明細書等について補正することができます(特許法第 17 条の 2)。
 この場合、特許出願人は実験成績証明書を合わせて提出することができ、審査基準ではその取り扱いについて以下のように説明しています。
 意見書及び実験成績証明書は、明細書における発明の詳細な説明に代わるものではない。しかし、これらは、出願人が出願当初の明細書等 (以下、この部において「当初明細書等」という。)に記載されていた事項が正しくかつ妥当なものであることを釈明又は立証するために提出されるものである。したがって、審査官は、意見書及び実験成績証明書が提出された場合は、これらの内容を十分に考慮する。」
 このように、「当初明細書等に記載されていた事項が正しくかつ妥当なものであることを釈明又は立証するため」に行った実験結果の報告書であれば、たとえ、拒絶理由通知書を受領した後に行った実験結果の報告書であっても意見書に合わせて提出し、審査官の検討を受けることができます。

<実施可能要件違反を指摘する拒絶理由への対応>
 特許出願では、特許取得を目指す発明を特許請求の範囲に記載すると共に、その詳細な説明を明細書に記載して特許庁へ提出します。
 明細書は、「その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載」する必要があります(特許法第36条第4項第1号)。これを、実施可能要件といい、明細書の記載が実施可能要件を具備していない場合は、拒絶の理由となり、見逃されて特許成立してしまった場合には、特許異議申立の理由、特許無効審判請求の理由になります。
 特許法は、新規・有用な発明を誰よりも先に特許出願することで社会に公開した者に対して、その代償として、特許権成立後であって、原則として、特許出願日から20年を越えない期間、独占排他権である特許権を付与して発明者・特許出願人を保護し、一方で、特許権が消滅した後は、公開された発明をいわゆるジェネリックな技術として誰でもが実施できるようにすることで、産業の発達という法目的(特許法第1条)を図ろうとしています。
 明細書の記載についての実施可能要件はこのような法目的によるもので、特許庁審査官は、審査している特許出願の明細書の記載が実施可能要件を具備していないと認める場合には、その旨を指摘する拒絶理由を通知することになります。
 この場合の対応として特許出願人が意見書と共に提出する実験成績証明書について特許審査基準(第II部 明細書及び特許請求の範囲 第 1 章 発明の詳細な説明の記載要件 第 1 節 実施可能要件(特許法第 36 条第 4 項第 1 号))には次のように記載されています。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/document/index/02_0101.pdf

 「出願人は、実施可能要件違反の拒絶理由通知に対して、意見書、実験成績証明書等により反論、釈明等をすることができる。例えば、出願人は、審査官が判断の際に特に考慮したものとは異なる出願時の技術常識等を示しつつ、そのような技術常識等を考慮すれば、発明の詳細な説明は、当業者が請求項に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるといえることを、意見書において主張することができる。また、出願人は、実験成績証明書により、このような意見書の主張を裏付けることができる。」
 「反論、釈明等により、発明の詳細な説明の記載が実施可能要件を満たすとの心証を、審査官が得られる状態になった場合は、その拒絶理由は解消する。そうでない場合は、実施可能要件違反の拒絶理由に基づき、拒絶査定をする。」
 「ただし、発明の詳細な説明の記載が不足しているために、出願時の技術常識を考慮しても、発明の詳細な説明が、当業者が請求項に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえない場合には、出願後に実験成績証明書を提出して、発明の詳細な説明の記載不足を補うことにより、当業者が請求項に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであると主張したとしても、拒絶理由は解消されない。」

 そこで、そもそも、明細書の記載が「出願時の技術常識を考慮しても、当業者が請求項に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえない場合」には、実験成績証明書を提出して明細書の記載不足を補おうとしても許容されません。特許出願の際の明細書、特許請求の範囲の記載について十分に注意しておく必要があります。

<サポート要件違反を指摘する拒絶理由への対応>
 上述した特許請求の範囲の記載については「特許を受けようとする発明が『発明の詳細な説明』=『明細書』に記載したものであること」が要求されます(特許法第 36 条第 6 項第 1 号)。
 特許請求の範囲の記載に際して「発明の詳細な説明」=「明細書」に記載した発明の範囲を超えて記載してはならないことを要求するものです。「発明の詳細な説明」=「明細書」に記載していない発明について特許請求の範囲に記載することになれば、公開していない発明について特許権を請求することになるので、それを防止すべく要求されています。「特許請求している発明は明細書の記載によって支えられていなければならない」ということで、サポート要件と呼ばれています。
 サポート要件を具備していない場合は、拒絶の理由となり、見逃されて特許成立してしまった場合には、特許異議申立の理由、特許無効審判請求の理由になります。
 特許庁審査官は、審査している特許出願の特許請求の範囲の記載がサポート要件を具備していないと認める場合には、その旨を指摘する拒絶理由を通知することになります。
 この場合の対応として特許出願人が意見書と共に提出する実験成績証明書について特許審査基準(第II部 明細書及び特許請求の範囲 第2章 特許請求の範囲の記載要件 第2節 サポート要件(特許法第36条第6項第1号))では、「サポート要件違反の拒絶理由通知に対して、意見書、実験成績証明書等を提出することにより反論、釈明等をすることができる」とし、サポート要件違反の拒絶理由の中でも「出願時の技術常識に照らしても、請求項に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない場合」が指摘された場合の対応として、以下の記載がされています。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/document/index/02_0202.pdf

 「出願人は、例えば、審査官が判断の際に特に考慮したものとは異なる出願時の技術常識等を示しつつ、そのような技術常識に照らせば、請求項に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できることを、意見書において主張することができる。また、実験成績証明書によりこのような意見書の主張を裏付けることができる。」
 「反論、釈明等により、特許請求の範囲の記載がサポート要件を満たすとの心証を、審査官が得られる状態になった場合は、その拒絶理由は解消する。そうでない場合は、特許請求の範囲の記載がサポート要件を満たさない旨の拒絶理由に基づき、拒絶査定をする。」
 「ただし、発明の詳細な説明の記載が不足しているために、出願時の技術常識に照らしても、請求項に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化することができるといえない場合には、出願後に実験成績証明書を提出して、発明の詳細な説明の記載不足を補うことによって、請求項に係る発明の範囲まで、拡張ないし一般化できると主張したとしても、拒絶理由は解消されない。 (参考:知財高判平成 17 年 11 月 11 日(平成 17 年(行ケ)10042 号)「偏光フィルムの製造法」大合議判決)」

 そこで、そもそも、明細書の記載が「不足しているために、出願時の技術常識に照らしても、請求項に係る発明の範囲まで、明細書に開示された内容を拡張ないし一般化することができるといえない場合」には、実験成績証明書を提出して明細書の記載不足を補おうとしても許容されません。特許出願の際の明細書、特許請求の範囲の記載について十分に注意しておく必要があります。

<新規性・進歩性欠如を指摘する拒絶理由への対応>
 特許審査基準(第III部 特許要件 第2章 新規性・進歩性(特許法第29条第1項・第2項) 第3節 新規性・進歩性の審査の進め方)では、新規性・進歩性が欠如しているとの拒絶理由を受け取った場合、特許出願人は「手続補正書を提出して特許請求の範囲について補正をしたり、意見書、実験成績証明書等により反論、釈明をしたりすることができる。」とされています。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/document/index/03_0203.pdf
 ただし、冒頭の「審査総論」のところで紹介したように、「当初明細書等に記載されていた事項が正しくかつ妥当なものであることを釈明又は立証するため」に行った実験成績証明書等であることが要求されます。どのような実験成績証明書であっても、新規性・進歩性欠如を指摘する拒絶理由を解消する証拠として考慮されるとは限りません。
 この点、特許審査基準(第IV部 明細書、特許請求の範囲又は図面の補正 第2章 新規事項を追加する補正(特許法第17条の2第3項))では、明細書の記載に「発明の効果」を追加する補正について、「一般に、発明の効果を追加する補正は、新たな技術的事項を導入するものであるので許されない」が、「当初明細書等に発明の構造、作用又は機能が明示的に記載されており、この記載から発明の効果が自明な事項である場合は、その発明の効果を追加する補正は、新たな技術的事項を導入するものではないので許される。」としています。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/document/index/04_0200.pdf

 そこで、実験成績証明書で立証する本願発明の優れた効果が、「当初明細書等に発明の構造、作用又は機能が明示的に記載されており、この記載から自明な事項」に当たる場合には、そのような実験成績証明書は、新規性・進歩性欠如を指摘する拒絶理由を解消する証拠として考慮されることになるのではないかと思われます。

<次号のご案内>
 次回は補償金請求権(特許法第65条)について説明します。特許出願後18カ月が経過して特許庁から特許出願公開公報が発行されることで特許出願の内容が社会に公開された後であって、特許権が成立する前に、他社によって特許出願発明が実施されていることを見つけた場合の特許出願人に対して与えられる保護です。

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■ニューストピックス■

●「特許庁ステータスレポート2024」を公表(特許庁)

 特許庁は、最新の統計情報や知財の動向などを記載した「特許庁ステータスレポート2024」を公表しました。
https://www.jpo.go.jp/resources/report/statusreport/2024/matome.html

 ステータスレポートは、特許庁が知的財産権 (特許、実用新案、意匠、商標) の出願、審査、訴訟などに関する統計情報などを取りまとめた年次報告書です。今回は、この中から特許・意匠・商標の出願状況と審査期間を紹介します。

<特許出願件数が3.7%の大幅増>
 2023年の特許出願件数は300,133件、意匠出願件数は31,747件、商標出願件数は164,061件でした。
 特許庁が受け付ける特許出願件数が30万件を越えるのは2019年以来4年ぶりになります。2019年の特許出願件数は307,969件で、以降、2021年の289,200件まで漸減し、2022年に289,530件と前年から微増していました。
 2020年、2021年はコロナ禍という事情がありました。30万件台への回復は、コロナ禍の前にようやく戻ったといえます。
 2005年に413,006件であった特許出願件数はその後多少の増減を繰り返しながら一貫して減少してきました。2023年の特許出願件数300,133件は前年比3.7%増で、対前年比で大幅な増加になります。
 また、中小企業の特許出願件数をみると、レポートには2022年の実績までしか記載されていませんが、2022年の中小企業の特許出願件数は、39,648件で、前年の37,875件より1,773件増加しており、こうした傾向がどのようになるのか注目されます。

<一次審査通知 (First Action) までの期間 (FA期間) と権利化までの期間>
 特許の2023年のFA期間は平均10.0か月。権利化までの期間は平均14.7月。
 商標の2023年のFA期間は平均 5.4か月。権利化までの期間は平均6.9か月。
 意匠の2023年のFA期間は平均 6.0か月。権利化までの期間は平均7.0か月。

●「AI(人工知能)を利活用した創作の特許法上の保護の在り方に関する調査研究」の調査結果を発表(特許庁)

 特許庁は、「AI(人工知能)を利活用した創作の特許法上の保護の在り方に関する調査研究」の調査結果を発表しました。
https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/sesaku/ai/ai_protection_chousa.html

 生成AIの急速な進化に伴い、AIを活用した発明の特許出願が今後増えると見込まれることから、特許庁は、AIに関する出願実績やAI技術のある企業、研究機関などを対象にアンケートを実施したほか、公表情報や聞き取りによる調査も実施。収集した情報や意見を踏まえ、有識者委員会で議論し、結果を取りまとめました。
 それによると、創作過程でのAIの利活用の拡大によって生じる特許審査の実務上の課題については、出願時の技術常識や研究開発のための通常の技術にAIが含まれることなどを考慮すれば、現時点では従来の特許法による創作の保護のあり方を変更・見直すべき特段の事情はないと結論づけました。
 一方で、今後AIがさらに発展することにより、技術分野を超えて発明を組み合わせることが容易になるなど、進歩性の動機付けなどの実務に影響を与える可能性があると指摘しています。
 特許庁は、AI技術の急速な発展を注視しつつ、AIを利活用した創作の特許法上の保護の在り方に関して検討を進めるとしています。

●中国の「商標ブローカー」に勝訴(美容機器のMTG)

 美容・健康関連機器などの販売を展開するMTGが、中国の商標ブローカーを相手取り不正競争防止法違反で訴えていた裁判において、中国現地の裁判所が不競法違反などを認める判決を下したと発表しました。
https://www.mtg.gr.jp/news/detail/2024/03/article_2252.html

 MTGによると、判決では、中国の「商標ブローカー」と呼ばれる企業集団が、他人の商標を営利目的で多数出願し、高額での買い取りを要求する「悪意の商標出願」について、不競法違反を認め、企業集団が保有していた「ReFa」などの商標の取り消しを命じるとともに、65万元(約1,385万円)の賠償金の支払いを命じました。
 商標を先取り登録する行為により、MTGは中国で「ReFa」のブランドを自由に使えないなどの事業上の阻害を受けていたことから、MTGは商標権の無効審判手続などを起こして商標権の取り戻しを進めていました。

●営業秘密の侵害、過去2番目に多い摘発(警察庁)

 警察庁は、「令和5年における生活経済事犯の検挙状況等」を発表しました。
https://www.npa.go.jp/news/release/2024/20240404001.html

 それによると、2023年に全国の警察が受理した企業情報の持ち出しなど営業秘密侵害に関する相談件数は前年比19件増の78件で、統計を取り始めた13年以降で最多となりました。また、営業秘密侵害事件の摘発件数は26件で、最多だった22年に次いで2番目に多い摘発となりました。
 警察庁は、転職など人材の流動化が進んでいることや営業秘密に対する企業側の意識の高まりなどから、摘発・相談件数が高水準になっているとみています。

<改正不正競争防止法による営業秘密保護の強化>
 本年4月に改正された不正競争防止法では、営業秘密の保護が強化されました。
 営業秘密を使用された被害企業が損害賠償請求を行う場合、被害側にとって、侵害者(被告)が営業秘密を実際に使用していることを立証するのは非常に困難です。
 そこで、改正不正競争防止法では、営業秘密を使用された被害側が営業秘密を不正に取得されたこと、そして、その秘密を使って生産できる製品を相手企業が作っているという2点を立証できれば、損害賠償を請求できるようになりました。

 雇用の流動化の状況をふまえ、改正法では、営業秘密にアクセス権限のある者(元従業員、業務委託先等)や営業秘密が記録された媒体等を許可なく複製等した場合、警告書が届いたことにより不正な経緯を事後的に知ったにもかかわらず記録媒体を削除等しなかった場合なども不正競争防止法の違反行為に該当すると規定されました。

●米グーグルに行政処分、広告配信制限の疑い(公取委)

 公正取引委員会は、米グーグルが「検索連動型」と呼ばれるインターネット広告の配信事業で、競合するLINEヤフーの事業を不当に制限した疑いがあるとして、独占禁止法に基づき行政処分を科したと発表しました。
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2024/apr/240422_digijyo.html

 「検索連動型」のインターネット広告は、検索エンジンに打ち込まれたキーワードに関連した広告が、サイトなどに自動的に表示されるサービスで、米グーグルが日本国内でも圧倒的なシェアを持っています。LINEヤフーは2010年以降、米グーグルから技術提供を受ける形で、サービスを展開しています。
 公取委によりますと、技術面や国内シェアで優越的な立場にある米グーグルは、2015年9月2日から2022年10月31日までの約7年間、LINEヤフー側への技術提供を制限。この結果、LINEヤフー側はポータルサイトへ検索連動型広告を配信することが困難になったとしています。公取委は、こうした行為は独禁法上問題となる恐れがあるとして、2022年から審査を行ってきました。
 米グーグルは公取委に対して事実関係を認めたうえで、改善計画である「確約計画」を提出。公取委がこの計画を認定したことにより、重い行政処分である排除措置命令や課徴金納付命令などは免除されました。

●海賊版サイトの元運営者に17億円賠償命令(東京地裁)

 海賊版サイト「漫画村」(閉鎖)で漫画を不正に公開されたとして、出版大手3社が元運営者に約19億円の損害賠償を求めて共同提訴した訴訟で、東京地裁は、元運営者に約17億円の支払いを命じました。
 この裁判は小学館、集英社、KADOKAWAの3社が、海賊版サイト「漫画村」に「ONE PIECE(ワンピース)」などの人気漫画17作品を無断で掲載され損害を受けたとして、元運営者に賠償を求めたものです。3社はこれらの作品に5億回以上のアクセスがあったとして、受けた損害の一部、19億円の支払いを求めていました。
 判決は、漫画村が無断で作品を公開したことで、電子配信された作品を購入したことと同じ状態がウェブ上に作られたと認定。17作品が無断公開された17年6月〜18年4月の作品1巻当たりの平均アクセス数に、単行本の販売価格を掛け合わせて損害額を算定しました。
 出版社側によると、海賊版被害を巡る訴訟の判決で過去最大の賠償額とみられます。

●世界で模倣品700万点を処分(米アマゾン)

 米アマゾンは、偽物の出品対策などをまとめた報告書「ブランド・プロテクション・リポート」で、2023年に世界で700万点以上の模倣品を処分したと公表しました。
https://www.aboutamazon.jp/news/innovation/amazons-latest-brand-protection-report-how-were-cracking-down-on-counterfeit-products

 報告書によると、画像認識AI(人工知能)などを使い、効果的に不正を見つけ出す技術を向上させたとしています。23年は模倣品対策のために12億ドル(約1800億円)以上を投資し、専門調査員など約1万5000人が従事したとしています。
 日本でも22年6月に財務省関税局と覚書を締結して水際対策を強化しています。不審な荷物の情報提供などを通じ、日米の合計で10万点以上の模倣品の流通を水際で阻止したとしています。

●「事例から学ぶ 商標活用ガイド2024」を作成(特許庁)

 特許庁はこのほど、商標・商標権の効果や活用事例、商標権取得までの流れや出願手続きなどをまとめた「事例から学ぶ 商標活用ガイド〜ビジネスやるなら、商標だ!」を作成、公表しました。
https://www.jpo.go.jp/support/example/document/trademark_guide2024/guide01.pdf

 2019年に作成したガイドを5年ぶりに刷新したもので、ビジネスにおける活用方法や権利化に関するメリット、商標を取っていなかったために起きた失敗なども実際の事例を通じて分かりやすく紹介しています。
 ガイドでは、商標・商標権の活用事例のほか、失敗事例なども紹介しています。失敗事例では、他社による先取りや商標権の失効、商標権の内容確認の未実施など、国内・海外で実際に起きた失敗事例を取り上げるとともに、トラブル回避に向けたアドバイスも掲載しています。


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最終更新日 '25/02/17