特許法等の一部改正案(平成15年) |
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特許法等の一部を改正する為、今国会(平成15年通常国会)に法律案が提出された。 特許に係る「紛争の迅速かつ的確な解決」のための紛争処理制度の合理化及び「国際的権利取得の円滑化」の観点から特許出願・審査制度を国際的に調和する為と位置付けている。 以下、要綱に沿って説明する。 |
第1 特許法等の一部を改正する法律案要綱 | |||||||||||||||
1.特許料の引き下げ等
特許料及び特許出願の手数料を引き下げ、出願審査の請求の手数料を引き上げること(計算すれば次表の通りである)。
但し、請求項7.6、維持期間9年とする。 2.特許出願の取り下げ等があったときは、出願審査料の手数料の一部を返還する制度の導入 拒絶理由通知の送達等があるまでの間に特許出願が放棄され、又は取り下げられたときは、請求により出願審査の請求の手数料の一部を返還する制度を導入すること。 3.特許料等の減免措置の見直し (1)特許権又は特許を受ける権利等が特許法又は他の法令による特許料及び出願審査の請求の手数料等の軽減若しくは免除を受ける者を含む者の共有に係る場合であって持分の定めがあるときは、これらの者が自己の権利について納付すべき料金については、それぞれの減免後の金額にその持分の割合を乗じて得た額を合算して得た額とし、国以外の者がその額を納付しなければいけないこととすること。 (2)試験研究に関する業務を行う独立行政法人及び公設試験研究機関の納付すべき特許料及び出願審査の請求の手数料について、軽減若しくは免除、又は猶予することができることとすること。 4.特許異議の申立ての廃止及び特許無効審判を請求することができる者の範囲の拡大 (1)特許異議の申立てを廃止すること。 (2)特許無効審判は、何人も請求することができることとすること。 5.訂正審判を請求することができる期間の制限等 訂正審判は、特許無効審判が特許庁に係属した時からその審決が確定するまでの間は、特許無効審判の審決に対する訴えの提起があった日から起算して90日の期間内を除き、請求することができないこととすること。 6.特許無効審判における審判の請求書の請求の理由の方式及びその要旨変更の許可の要件の明確化 (1)特許無効審判における審判の請求書の理由は、特許を無効にする根拠となる事実を具体的に特定し、かつ、立証を要する事実ごとに証拠との関係を記載したものでなければならないこととすること。 (2)特許無効審判における審判の請求書の請求の理由の補正がその要旨を変更する者である場合の許可の要件を定めること。 7.特許無効審判の審決取消訴訟において特許庁長官の意見を求める制度等の導入 (1)裁判所は、特許無効審判の審決取消訴訟の提起があったときは、特許庁長官に対し、当該事件に関する法律の適用等についての意見を求めることができることとすること。 (2)特許庁長官は、特許無効審判の審決取消訴訟の提起があったときは、裁判所に対し、当該事件に関する法律の適用等について意見を述べることができることとすること。 8.特許無効審判の審決取消し決定制度の導入 裁判所は、特許無効審判の審決取消訴訟の提起があった場合において、当該特許を無効にすることについて、特許無効審判においてさらに審理させることが相当であると認めるときは、事件を審判官に差し戻すため、決定をもって、当該審決を取り消すことができることとすること。 9.特許制度の国際的調和 (1)二以上の発明については、発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するときは、一の願書で特許出願をすることができることとすること。 (2)特許協力条約に基づく国際出願について、全締約国に出願したとみなす制度を導入すること。 10.その他 実用新案法、意匠法及び商標法について、特許法の改正に準ずる所要の改正を行う他、関係規定の整備を行うこと。 |
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第2 特許法等の一部を改正する法律の摘記説明 | |||||||||||||||
1.訂正審判(特許法126条)
訂正審判は、特許無効審判が特許庁に係属した時からその審決が確定するまでの間は、請求することができない。 但し、特許無効審判の審決に対する訴えの提起があった日から起算し90日の期間内(当該事件について181条1項の規定による審決の取消の判決又は181条2項の規定による審決の取消の決定があった場合においては、その判決又は決定の確定後の期間を除く)はこの限りでない。 2.審判請求後の補正(特許法131条の2) 131条1項の規定により提出した請求書の補正は、その要旨を変更するものであってはならない。 但し、当該補正が、特許無効審判以外の審判を請求する場合における131条1項3号に掲げる請求の理由についてされるとき、又は131条2項の規定による審判長の許可があったときは、この限りでない。 審判長は、特許無効審判を請求する場合における131条1項3号に掲げる請求の理由の補正がその要旨を変更するものである場合において、当該補正が審理を不当に遅延させるおそれがないことが明らかなものであり、かつ、次の各号のいずれかに該当する事由があると認めるときは、決定をもって、当該補正を許可することができる。 一 当該特許無効審判において134条の2第1項の訂正の請求があり、その訂正の請求により請求の理由を補正する必要が生じたこと。 二 一号に掲げるもののほか当該補正に係る請求の理由を審判請求時の請求書に記載しなかったことにつき合理的な理由があり、被請求人が当該補正に同意したこと。 3.取消の判決があった場合における訂正の請求(特許法134条の3抜粋) 審判長は、特許無効審判の審決(審判の請求に理由がないものとするものに限る。)に対する181条1項の規定による取消しの判決が確定し、同条第5項の規定により審理を開始するときは、その判決の確定の日から1週間以内に被請求人から申立てがあった場合に限り、被請求人に対し、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正を請求するための相当の期間を指定することができる。 4.審決取消訴訟における特許庁長官の意見(特許法180条の2) 裁判所は、179条但書に規定する訴えの提起があったときは、特許庁長官に対し、当該事件に関するこの法律の適用その他の必要な事項について、意見を求めることができる。 特許庁長官は、179条但書に規定する訴えの提起があったときは、裁判所の許可を得て、裁判所に対し、当該事件に関するこの法律の適用その他の必要な事項について、意見を述べることができる。 特許庁長官は、特許庁の職員でその指定する者に前2項の意見を述べさせることができる。 5.実用新案法(実用新案法6条) 2以上の考案については、経済産業省令で定める技術的関係を有することにより考案の単一性の要件を満たす一群の考案に該当するときは、1の願書で実用新案登録出願をすることができる。 6.意匠法(意匠法48条2項) 意匠登録無効審判は、何人も請求することができる。ただし、意匠登録が意匠法48条1項1号に該当すること(その意匠登録が意匠法15条1項において準用する特許法38条の規定に違反してされたときに限る。)、又は意匠法48条1項3号に該当することを理由とするものは、利害関係人に限り請求することができる。 意匠登録無効審判は、意匠権の消滅後においても、請求することができる。 7.商標法 特許法の準用規定である、商標法56条、商標法61条、商標法77条などが改正された。 8.この法律の施行日 平成16年1月1日(一部は平成16年4月1日) |
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