審決取消請求事件(アプリケーション生成支援システム
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解説 |
審決取消請求事件において、特許庁が進歩性欠如と判断したものを、動機付けの有無について知財高裁が検討し、特許庁の判断を取り消した事例。
(審決取消請求事件 知的財産高等裁判所 平成30年(行ケ)第10146号 令和元年6月27日判決言渡)
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第1 事案の概要 |
原告は、発明の名称を「アプリケーション生成支援システムおよびアプリケーション生成支援プログラム」とする発明について特許出願し(特願2017−124385号)、審査を受けたところ拒絶査定を受け、拒絶査定不服審判を請求した(不服2018−3406号)。これに対して「本件審判の請求は、成り立たない」との審決(本件審決)が下され、原告が、取消を求めて出訴した。
一致点
相違点1
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第2 判決 |
1 特許庁が不服2018−3406号事件について平成30年11月30日にした審決を取り消す。
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第3 理由 |
本件審決は、引用発明に引用文献2〜5及び参考文献1記載の技術(同技術に乙3文献記載の技術を併せて、以下「被告主張周知技術」という。)を適用することにより、本件補正発明に想到し得ると判断していることから、引用発明に被告主張周知技術を適用する動機付けの有無について検討する。
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第4 考察 |
特許審査基準によれば、審査を受けている発明と主引用発明との間の相違点に関し、進歩性が否定される方向に働く要素(例えば、主引用発明に副引用発明を適用する動機付け)に係る諸事情に基づき、副引用発明を適用したり、技術常識を考慮したりして、論理付けができるか否かを判断し、論理付けできると判断したときには進歩性欠如、論理付けができないと判断した場合は進歩性を有すると判断することになっている。本件は、特許庁が進歩性欠如と判断したものを、動機付けの有無について知財高裁が検討し、特許庁の判断を取り消したものである。
以上
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