審決取消請求事件(排水栓装置) |
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解説 |
審決取消請求事件における進歩性の判断において、主引用発明に副引用発明を適用することで当業者が請求項に係る発明に容易に想到することができた、とした特許庁審決を、主引用発明に副引用発明を適用する動機付けがあるものと認めることはできないとして知財高裁で取り消した事例。
(知的財産高等裁判所 令和2年(行ケ)第10030号 審決取消請求事件
令和3年4月28日判決言渡) |
第1 事案の概要 |
原告は、発明の名称を「排水栓装置」とする発明についての特許第5975433号(本件特許)の特許権者である。被告が本件特許について特許無効審判を請求したところ(無効2019−800019号事件)、特許庁が、「特許第5975433号の請求項1に係る発明(本件発明)についての特許を無効とする。」との審決(本件審決)を下し、原告が本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。
(一致点)
(相違点1)
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第2 判決 |
1 特許庁が無効2019−800019号事件について令和2年2月6日にした審決を取り消す。
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第3 理由 |
相違点1の容易想到性の判断の誤りについて
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第4 考察 |
特許審査基準では、主引用発明(A)に副引用発明(B)を適用したとすれば、審査を受けている請求項に係る発明(A+B)に到達する場合、主引用発明(A)に対して副引用発明(B)を適用することを試みる動機付けがあることは、進歩性が否定される方向に働く要素となるとされている。
以上
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