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A. 商標「脂肪がみえる体重計」は、独創性のある表現方法であって、特異ないいまわし語句であるから、商品の品質を表示するものではなく自他商品の識別機能を有すると判断された事例
(平成10年審判第14370号、平成13年11月28日審決、審決公報第26号)
 
1.本件商標
 本願商標は、「脂肪がみえる体重計」の文字を横書きしてなり、国際分類第10類「体脂肪測定器」を指定商品として平成9年1月8日に登録出願されたものである。

2.原査定の拒絶の理由
 原査定は、「本願商標は、これを指定商品『体脂肪測定器』に使用しても、単に体脂肪と体重を同時に測定することができること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。
 したがって、本願商標は、商標法3条1項3号に該当する。」旨認定し、判断し、本願を拒絶したものである。


3.当審の判断
 本願商標を構成する「脂肪がみえる体重計」の文字よりは、原査定説示の意味合いを暗示させる場合があるとしても、直ちに具体的な品質を表示したものと認識されるとはいい難い独創性のある表現方法であって、特異ないいまわし語句と印象・記憶させ、商取引に資されるものといえるものであるから、本願商標をその指定商品に使用する場合、単に商品の品質を表示したものとはいえない。
 してみれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
 そして、当審において、職権をもって調査したが、本願指定商品を取り扱う業界において、該文字が商品の品質を表示するものとして使用されている事実を見出すことはできなかった。
 したがって、本願商標が商標法3条1項3号に該当するとした原査定は、妥当でなく取り消しを免れない。
 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。


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B. 商標「」は、全体として一種のモノグラムを表したものというべきであるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標とは認められないと判断された事例
(不服2000-2121号、平成13年11月27日審決、審決公報第26号)
 
1.本件商標
 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、国際分類第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成10年2月27日に登録出願されたものである。

2.原査定の拒絶の理由
 原査定において、「本願商標は、『V8』の文字を書してなるものであるが、アルファベット1文字と数字を組合わせた標章は商品の品番・規格等を示す記号・符号として商取引上普通に使用されているところであって、多少レタリングされている本願商標もその一類型にすぎないものであるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法3条1項5号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3.当審の判断
 本願商標は別掲のとおりの構成よりなるところ、構成中の「V」の文字と「8」の数字は、それぞれの文字に陰を書き入れ立体感を表してなるものである。そして、構成中左側に書された「V」の文字と、その構成中右側に書された「8」の数字は、互いにその位置を上下にずらし、高さを違えた配置で、「V」の文字の右側上部と、「8」の数字の左側上部において接合させて表したものである。
 そうとすれば、本願商標は、全体として一種のモノグラムを表してなる商標というべきである。
 してみれば、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標とは認められないものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。
 したがって、本願商標が商標法3条1項5号に該当するとの原査定は、妥当でなく、取り消しを免れない。
 その他、本願について拒絶すべき理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。


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鈴木正次特許事務所