最近の注目審決・判決を紹介します。

A. 構成中の「チキン」の文字が「鶏肉」の意味を有する語であるとしても、これを重複させ、中間に「ザ」の文字を配してなる商標「チキン ザ チキン」は、指定商品(第29類「鶏肉製品」)の分野において、商品の品質等を表示するものとして普通に使用されているとも言い得ないから、一種の造語として需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標ということはできない、と判断された事例
(不服2006-22790、平成19年11月30日審決、審決公報第98号)
 
1.本願商標
 本願商標は、「チキン ザ チキン」の文字を標準文字で表してなり、第29類「鶏肉製品」を指定商品として、平成17年6月8日に登録出願されたものである。

2.原査定の拒絶の理由の要点
 原査定は、「本願商標は、本願指定商品との関係においては、単に『鶏肉』程度の意味合いを認識させるに過ぎず、これを本願指定商品に使用しても、これに接する需要者は該商品が鶏肉を使用したものであることの意味合いを認識するに止まり、自他商品識別標識とは認識し得ず、結局、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3.当審の判断
 本願商標は、上記1の通り「チキン ザ チキン」の文字よりなるところ、構成中の「チキン」の文字が、「鶏肉」の意味を有する語であるとしても、これを重複させ、中間に「ザ」の文字を配してなる「チキン ザ チキン」の語が、本願の指定商品の分野において、商品の品質等を表示するものとして普通に使用されているとも言い得ないことからすれば、本願商標は、その構成文字全体から特定の意味合いが生じない一種の造語を表したものとして理解されるとみるのが相当である。
 そうすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標ということはできないものである。
 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。
 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論の通り審決する。


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B. 商標「すっきりくん」は、同書、同大、同間隔をもって外観上まとまりよく構成され、全体として擬人化された愛称としての「スッキリクン」の一連の称呼のみを生ずるから、引用商標「すっきり」とは、称呼上非類似と判断された事例
(不服2006-24015、平成19年11月29日審決、審決公報第98号)
 
1.本願商標
 本願商標は、「すっきりくん」の文字を横書きしてなり、第1類「化学品」を指定商品として、平成17年10月28日に登録出願されたものである。

2.原査定の拒絶の理由の要点
 原査定は、「本願商標は、登録第4433452号商標(以下『引用商標』という。)『スッキリ』の称呼を同一にする類似の商標であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1頂第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3.当審の判断
 本願商標は、「すっきりくん」の文字を横書きしてなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔をもって外観上まとまりよく構成されており、「すっきり」の文字と敬称、愛称を表す「くん」の文字が一体となって造語を形成することにより、全体として擬人化された愛称としての印象と共に構成全体に相応して「スッキリクン」の一連の称呼を生ずるものであり、他に「すっきり」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見出せない。
 そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「スッキリクン]の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
 してみれば、本願商標より「スッキリ」の称呼をも生ずるとし、その上で本願商標と引用商標が称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定の拒絶の理由は、取消しを免れない。
 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって結論の通り審決する。


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鈴木正次特許事務所

最終更新日 '08/11/24