最近の注目審決・判決を紹介します。

A. 商標「銘木」は、「床柱等に用いる、形・木目等が珍しく、趣のある木材の総称」の意味を有するものの、木材を使用した商品が削除されているため、商品の品質の誤認を生ずる虞はない、と判断された事例
(不服2013-20451、平成26年4月16日審決、審決公報第174号)
 
1 本願商標
 本願商標は「銘木」の文字を標準文字で表してなり、第6類及び第19類に属する商品を指定商品として、平成24年12月17日に登録出願されたものである(指定商品については、その後補正されている。)。

2 原査定の拒絶の理由の要点
 原査定は、「本願商標は『銘木』の文字を標準文字で表してなる処、該文字は『形状、色沢、木理、材質が珍奇で、特異な風趣を持つ高価な材木の総称』等を意味する語であるから、これを補正後の指定商品中『木材を使用した建造物組立セット(金属製のものを除く。)、木材を使用した建具』について使用したときは、銘木を使用した商品であるかのように商品の品質について誤認を生じさせる虞がある。従って、本願商標は商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
 本願商標は「銘木」の文字を標準文字で表してなる処、該文字は「床柱等に用いる、形・木目等が珍しく、趣のある木材の総称」の意味を有するものの、本願の指定商品は木材を使用した商品が削除されており、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、商品の具体的な品質を直接的かつ具体的に表示するものと認識されるとはいい難い。
 してみれば、本願商標はこれをその指定商品について使用しても、商品の品質の誤認を生ずる虞はないものと言わざるを得ない。
 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論の通り審決する。


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B. 別掲1(本願商標)は、別掲2(引用商標)とは「サンヨー」の称呼を共通にするとしても、外観において明確に区別でき、観念において相紛れる虞はないから、これらを総合的に判断すると、全体に非類似と判断された事例
(不服2013-22025、平成26年4月17日審決、審決公報第174号)
別掲1
(本願商標)
別掲2
(引用商標)
 
1 本願商標
 本願商標は別掲1の通りの構成からなり、第36類「建物の貸与」を指定役務として、平成25年2月6日に登録出願されたものである。

2 引用商標
 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3233695号商標(引用商標)は別掲2の通りの構成からなり、平成4年9月30日に登録出願、第36類「資金の貸付け、…、建物の貸与、建物の売買等」を指定役務として、平成8年12月25日に特例商標として設定登録され、その後、平成18年12月26日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
 本願商標は黒色二重円の図形中央に、白抜きで表してなる「SANYO」の欧文字を配置し、さらに、外側円部内に白抜きで15個の小円を等間隔に配置した構成からなる処、構成中の図形部分は具体的な事物等を表したものとして認識されるとはいい難く、これよりは特定の称呼及び観念を生じない。
 また、本願商標の構成中「SANYO」の欧文字部分は特定の意味合いを有しない一種の造語として看取、理解されるとみるのが相当である。
 してみれば、本願商標は構成中「SANYO」の欧文字部分に相応する「サンヨー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
 他方、引用商標は「SANYO」の欧文字(各構成文字はいずれもやや右に傾けて表され、かつ、「N」の欧文字部分け図案化されている。)を横書きした構成からなる処、該商標はその権利者である「三洋電機株式会社」が、長年に亘り、自己の業務全般に係る商標(ハウスマーク)として使用してきたものであり、取引者、需要者間に広く認識されているものといえる。
 してみれば、引用商標はその構成全体に相応して、「サンヨー」の称呼を生じ、「三洋電機株式会社」の観念を生じるものである。
 そこで、本願商標と引用商標との類否について検討するに、外観においては、本願商標と引用商標は外観上顕著な差異があるから、明確に区別できるものである。
 また、称呼においては、本願商標と引用商標はいずれも「サンヨー」の称呼を生じるものであるから、称呼上同一のものである。
 さらに、観念においては、本願商標からは特定の観念を生じないのに対し、引用商標からは「三洋電機株式会社」の観念を生じるものであるから、両商標は観念上相紛れる虞はない。
 してみれば、本願商標と引用商標とは、「サンヨー」の称呼を共通にするとしても、外観において明確に区別でき、観念において相紛れる虞はないことから、外観、称呼及び観念を総合的に判断すると、両商標は役務の出所の誤認、混同を生じる虞のない非類似の商標である。
 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原告定は取消しを免れない。
 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。


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鈴木正次特許事務所

最終更新日 '15/03/22