最近の注目審決・判決を紹介します。
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1 本願商標 |
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第30類、第32類、第35類及び第43類に属する願書に記載されたとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成27年12月14日に登録出願されたものである。
そして、その指定商品及び指定役務については、最終的には、第30類「茶,コーヒー,ココア,氷,菓子」他及び第43類「飲食物の提供」他に補正されたものである。 |
2 原査定の拒絶の理由の要点 |
原査定は、「本願商標は、『bon gout』(uはアクサンシルコンフレクス記号付きの文字。)の文字を横書きしてなるところ、全体として、『おいしい味、よい趣味』といった意味合いを容易に理解させるものといえる。そして、指定商品及び指定役務の属する分野において、『おいしい(味)、センスが良い』などの意味合いにて、『bon gout』の語が、商品又は役務に広く使用されている実情が見受けられる。そうすると、本願商標をこの商標登録出願に係る指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単にその商品又は役務が『おいしい』あるいは『センスの良い』といった品質又は質を有する商品又は役務であることを認識するにすぎない。したがって、本願商標は、商品の品質、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
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3 当審の判断 |
本願商標は、別掲のとおり、「bon gout」(「u」の文字には、アクサンシルコンフレックスが付されている。以下同じ。)の文字を書してなるものである。
そして、構成中の「bon」の文字は、「よい、おいしい」を、「gout」の文字は、「味、趣味」を意味するフランス語(「クラウン仏和辞典 第6版」三省堂)であるところ、これらを結合した「bon gout」の文字は、我が国において一般に親しまれて知られている語ではないことからすれば、本願商標は、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるものである。 さらに、当審において、職権をもって調査するに、「bon gout」の文字が、補正後の指定商品及び指定役務の分野において、これらの商品の品質又は役務の質を表示する文字として、使用されている事実を発見することができず、本願商標に接する取引者、需要者が、商品の品質又は役務の質を表すものと認識するというべき事情も見当たらない。 そうすると、本願商標は、その構成全体をもって特定の意味合いを有しない一種の造語を表したものと認識されるというのが相当であって、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、単に商品の品質又は役務の質を表示するものとはいえず、自他商品役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
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1 本願商標 |
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第28類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年11月23日に登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品については、原審における平成29年2月2日付けの手続補正書により、第16類「心理学研修教材用カード」に補正された。 |
2 原査定の拒絶の理由(要点) |
原査定は、「本願商標は、アメリカ合衆国の大統領であるドナルド・ジョン・トランプ(Donald John Trump)氏の著名な略称と認められる『TRUMP』の文字を含むものであり、かつ、その者の承諾を得ているものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
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3 当審の判断 |
(1)本願商標について
(2)「TRUMP」の欧文字について
(3)商標法第4条第1項第8号該当性について
よって、結論のとおり審決する。 |