最近の注目審決・判決を紹介します。
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1 本願標章及び手続の経緯 |
本願標章は、別掲のとおり「新幹線」の文字を横書きしてなり、第39類「道路情報の提供,自動車の運転の代行,貨物の積卸し,引越の代行,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,船舶の引揚げ,水先案内,ガスの供給,電気の供給,水の供給,熱の供給,有料道路の提供,係留施設の提供,飛行場の提供,駐車場の管理,自転車の貸与,航空機の貸与,機械式駐車装置の貸与,包装用機械器具の貸与,家庭用冷凍冷蔵庫の貸与,家庭用冷凍庫の貸与,車椅子の貸与,信書の送達,航空機用エンジンの貸与,業務用冷凍機械器具の貸与,ガソリンステーション用装置(自動車の修理又は整備用のものを除く。)の貸与」を指定役務とし、登録第3066558号商標(以下「原登録商標」という。)に係る防護標章登録出願として、令和元年6月21日に登録出願されたものである。
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2 原登録商標 |
原登録商標は、本願標章と同一の構成よりなり、平成4年9月26日に登録出願、第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,倉庫の提供,駐車場の提供,コンテナの貸与,自動車の貸与,船舶の貸与」を指定役務として、同7年8月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 |
3 原査定の拒絶の理由 |
原査定は、「本願標章は、他人がこれをその指定役務に使用しても、その役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるものとは認められない。したがって、本願標章は、商標法第64条に規定する要件を具備しない。」旨判断し、本願を拒絶したものである。 |
4 当審の判断 |
本願標章は、原登録商標「新幹線」と同一の構成よりなり、請求人が原登録商標の権利者と同一人であることは、その標章を表示した書面及び商標登録原簿の記載から明らかである。
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B. 本願商標「食の北海道遺産」は、商標法第4条第1項第6号に該当しない、と判断された事例
(不服2021-010357、令和4年6月10日審決)
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1 手続の経緯 |
本願は、令和2年8月25日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
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2 本願商標 |
本願商標は、「食の北海道遺産」の文字を標準文字で表してなり、第35類に属する別掲(※記載省略)のとおりの役務を指定役務として、登録出願されたものである。 |
3 原査定の拒絶の理由の要点 |
原査定は、「本願商標は、「食の北海道遺産」の文字を標準文字で表してなる。そして、これは、「北海道に関係する自然・文化・産業などの中から、次世代へ継承したいものとして北海道遺産構想推進協議会が選定した有形無形の財産群」であり、公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する著名な標章である「北海道遺産」と類似する。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 |
4 当審の判断 |
本願商標は、「食の北海道遺産」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は空白なく横一列に表してなるもので、構成文字全体でまとまりよく一連一体の造語を表してなると認識、理解できる。
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