最近の注目審決・判決を紹介します。
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1 本願商標及び手続の経緯 |
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第43類及び第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、令和2年10月9日に登録出願されたものである。
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2 原査定の拒絶の理由 |
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6002422号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成29年4月20日に登録出願、第44類「入浴施設の提供」を指定役務として、同年12月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 |
3 当審の判断 |
(1)本願商標と引用商標の類似
(2)請求人の主張
(3)むすび
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B. 本願商標「無理なく、無駄なく、美しく」は、商標法第3条第1項第6号に該当しない、と判断された事例
(不服2022-4467、令和4年8月17日審決)
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1 本願商標及び手続の経緯 |
本願商標は、「無理なく、無駄なく、美しく」の文字を標準文字で表してなり、第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン,化粧用綿棒」を指定商品として、令和2年8月27日に登録出願されたものである。
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2 原査定の拒絶の理由の要旨 |
原査定は、「本願商標は、「無理なく、無駄なく、美しく」の文字を標準文字で表してなるところ、構成全体として、「無理や無駄をすることなく、美しくある様」等の意味合いが生じる。そして、「無理なく、無駄なく、美しく」の文字は、商品等や企業理念に関する広告・宣伝のための標語やキャッチフレーズとして使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、消費者向けに商品の特徴や企業の理念・イメージを訴えるための標語やキャッチフレーズの一類型を表示したものと理解し、把握するに止まるものとみるのが相当である。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないから、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 |
3 当審の判断 |
本願商標は、上記1のとおり、「無理なく、無駄なく、美しく」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「無理」の文字は、「理由のたたないこと。強いて行うこと。するのが困難なこと。」等の意味を、「なく」の文字は、「ないこと。」の意味を、「無駄」の文字は、「役に立たないこと。益のないこと。また、そのもの。」の意味を有する語であり、また、「美しく」の文字は、「愛らしい。かわいい。いとしい。形・色・声などが快く、このましい。きれいである。いさぎよい。」等の意味(いずれも「広辞苑第七版」岩波書店)を有する「美しい」の連用形である。
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