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A. 本願商標「中籠包」は、商標法第3条第1項第3号に該当しない、と判断された事例
(不服2022-6360、令和4年12月13日審決)
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1 手続の経緯 |
本願は、令和3年3月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
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2 本願商標 |
本願商標は、「中籠包」の文字を標準文字で表してなり、第30類「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」を指定商品として、登録出願されたものである。 |
3 原査定の拒絶の理由の要点 |
原査定は、「本願商標は、「中籠包」の文字を標準文字で表してなり、我が国において「小籠包」は「中国料理の点心の一。調味した豚挽肉(ひきにく)に刻んだ野菜などを混ぜ、スープと一緒に小麦粉の生地で包んだ小型の蒸し饅頭(まんじゅう)。」の名称として、良く親しまれているが、近時、より大きいサイズの「小籠包」が「大籠包」と称され販売されている実情がある。そうすると、「中」の文字が「物の大きさが、大と小との間であること。」を意味するものとして親しまれていることを踏まえると、「中籠包」の文字を標準文字で表したにすぎない本願商標を、その指定商品中「中華まんじゅう」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「中サイズの蒸し饅頭(まんじゅう)」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。 |
4 当審の判断 |
本願商標は、「中籠包」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般的な辞書等に載録されていないものであって、「中」、「籠」及び「包」の各語が有する語義からも特定の意味合いを認識させるものとはいえない。
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1 手続の経緯 |
本願は、令和3年7月30日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
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2 本願商標 |
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、登録出願されたものであり、その後、指定役務については,上記1の手続補正書により、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,運動施設の提供,運動用具の貸与」に補正されたものである。 |
3 原査定の拒絶の理由の要点 |
原査定は、「本願商標は、その構成中に「JPC」(以下「引用標章」という。)の欧文字を有してなるところ、これは、営利を目的としない公益財団法人日本障がい者スポーツ協会の内部組織である日本パラリンピック委員会の略称を表示するものであるから、本願商標は上記公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する著名な標章と類似するものである。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 |
4 当審の判断 |
(1)本願商標について
(2)引用標章について
(3)本願商標と引用標章の類否ついて
(4)まとめ
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