最近の注目審決・判決を紹介します。
|
1 手続の経緯 |
本願は、令和3年2月8日に出願されたものであり、その手続の経緯は以下のとおりである。
|
2 本願商標 |
本願商標は、別掲のとおり、「JPX」の欧文字を横書きしてなり、第7類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正により、第7類「焼結機,その他の化学機械器具,鋳造機械器具,金属加工機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,業務用電気洗濯機,業務用攪はん混合機,業務用皮むき機,業務用切さい機,業務用食器洗浄機,軸(陸上の乗物用のものを除く機械要素),軸受(陸上の乗物用のものを除く機械要素),軸継ぎ手(陸上の乗物用のものを除く機械要素)」と補正されたものである。 |
3 原査定の拒絶の理由の要点 |
原査定は、「本願商標は、東京都中央区日本橋兜町2−1所在の「株式会社日本取引所グループ」の著名な略称である「JPX」の文字からなるものであり、かつ、その者の承諾を得ているものとは認めらない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 |
4 当審の判断 |
(1)商標法第4条第1項第8号について
(2)本願商標の商標法第4条第1項第8号該当性について
(3)まとめ
|
B. 本願商標「SHIMZ Beyond Zero 2050」は、商標法第4条第1項第6号に該当しない、と判断された事例
(不服2022-12071、令和5年6月21日審決)
|
1 手続の経緯 |
本願は、令和3年5月25日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
|
2 本願商標 |
本願商標は、「SHIMZ Beyond Zero 2050」の文字を標準文字で表してなり、第35類、第37類、第40類、第41類、第42類及び第44類に属する別掲1に記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。 |
3 原査定の拒絶の理由の要旨 |
本願商標は、「SHIMZ Beyond Zero 2050」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「Beyond Zero」の文字及びそれを片仮名文字で表した「ビヨンド・ゼロ」の文字は、「脱炭素社会」の実現を目指す我が国政府が、「世界全体のカーボンニュートラルの実現だけではなく、過去に大気中に排出された二酸化炭素の削減も目指す」という脱炭素化推進の戦略コンセプトを表す語として、脱炭素化推進に係る政策に関連して使用しているものである。
|
4 当審の判断 |
本願商標は、「SHIMZ Beyond Zero 2050」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「Beyond Zero」及びそれを片仮名文字で表した「ビヨンド・ゼロ」等の文字は、「世界全体のカーボンニュートラルの実現だけではなく、過去に大気中に排出された二酸化炭素の削減も目指す」という脱炭素化推進の戦略コンセプトを表す語として、一般に使用されているほか、別掲2のとおり、民間の企業等がその事業の方針や目標を示す表示として使用するものや、あるいは、二酸化炭素削減に関係する意味合いではあるものの、政府とは直接の関連性の無い文脈において記述的な語として使用されているものである。
|