改正特許法等の解説・2007〜特許制度の見直し・意匠制度の見直し
|
---|
はじめに | |
新内閣は、2025年の社会に向けた長期戦略指針「イノベーション」を策定する「イノベーション25戦略会議」をスタートさせた。 我が国で「技術革新」が叫ばれてから久しく、その具体化は専ら法改正など周辺環境の整備に捕らわれ、骨太の長期計画は聞かなかったが、本年度は前記のような長期戦略指針が示され誠に喜ばしい限りである。 前記長期戦略指針は、2025年までに達成すべき各種新技術の選定、開発計画の策定、これに必要な戦略の確立などが考えられる。 従って目標達成の為には、開発すべき技術、これを支持すべき法制度の整備は、前記戦略を有効ならしめる為の車の両輪の如く進歩発達しなければならない。 従来、技術開発は専ら会社、個人の立案、実行に任され、法制度は専ら政府に任されていたので、必ずしも協力態勢が万全とは言えなかったが、今後は改善されるであろう。 新技術の開発と、長期計画の策定と、これを完うする為の実施には、両者間の緊密な連絡と協力が必要不可欠であり、前記各項を逐年実行に移す必要がある。目標は大きく、実行は足許を見究めつつ行う必要がある。 さて本年度は特許制度、意匠制度、商標制度の見直し、模倣品対策の強化と、政令の公布などがあって、夫々内容の充実化と、運用の円滑化を回り、改正法の趣旨を踏まえて具体化しなければならないが、本小誌はこれに資することを目的にしている。 元来法制度は、如何に緻密、且つ充実していても、これを完うし、生かす為には運用について万全を期さなければならない。 茲に本年度施行の改正特許法等の見直しの解説と、模倣品対策の強化に関し、権利侵害行為への輸出の追加、譲渡目的所持への追加、刑事罰の強化等について若干の解説を試みたものである。前記国家戦略実行中法整備に開し、その端緒となることを希うものである。 以上
平成19年1月1日 |
目次 | |
|
|