改正特許法等の解説・2012〜イノベーションのオープン化、審判制度等の見直し、
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はじめに | |
昨年の第177回通常国会で成立した「特許法等の一部を改正する法律」(平成23年法律第63号)は本年4月1日から施行される。 @ ライセンス契約の保護強化のための通常実施権等の対抗制度の見直し、A 共同研究等の成果に関する発明者の適切な保護のための冒認出願等にかかる救済措置の整備、B 紛争の迅速・的確な解決のための無効審判等の紛争処理制度の見直し、C ユーザーの利便性向上のための料金面・手続面における制度の見直し、などを主な柱にして法律の改正が行われている。 今回の法律改正は、我が国の産業財産権制度が、特許法の前身である「専売特許条例」公布から125年を超え、また、現行の特許法が制定されてから半世紀を超えるという節目に、イノベーションを通じた我が国の成長・競争力強化に資することを目指した、より望ましい知的財産権制度・特許制度の構築を検討する過程で行われたものである。適切な活用・保護を通じた特許の円滑な利用促進、中小企業・大学等の幅広いユーザーの利便性向上によるイノベーション創出の裾野拡大、国際的な制度調和による経済活動の世界各国間での障壁の除去などの視点で知的財産権制度・特許制度の改革を検討する過程で、従来から積み残されていた実務的ないくつかの問題について制度の改正が行われた。 また、特許出願の審査請求料・意匠登録料・国際出願における国際調査手数料等の引き下げ、特許料等の減免制度の拡充、発明の新規性喪失の例外規定の適用対象の拡大、手続期間徒過後の救済措置の見直しなど、制度の利便性向上などを目的とした改正が行われた。 昨年の東日本大震災と原発事故という未曽有の災害・事故からの復旧・復興の途上にある我が国にとって、イノベーションの促進、新たな技術・産業の創出、これらを通じた我が国の成長・競争力の強化は、今まで以上に重要性を増している。 そこで、今回の特許法等の改正の概要を特許庁から公表されている資料に基づいて紹介することとした。 以上
平成24年1月1日 |
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