改正特許法等の解説・2008
〜発明の単一性の要件・知的財産裁判の動向
   意匠保護の動向・商標保護の動向の解説〜

  はじめに
 我が国は2003年3月の知的財産基本法の施行以降、知的財産戦略本部の設置、知的財産推進計画の策定、特許法・実用新案法・意匠法・商標法といった産業財産権法や、不正競争防止法の改正を行い、新規技術創出の促進、創出された新規技術の知的財産としての適切な保護、保護された知的財産の活用による新たな技術・知的財産の創出という知的創造サイクルの確立、そしてこれを通じた我が国経済の中長期的な成長と発展を目指している。
 この下で、昨年1月からは特許権などの産業財産権を侵害する行為に輸出行為及び譲渡目的での模倣品所持が追加され、引き続き、昨年4月からは意匠権による画面デザイン保護の拡充、意匠権の存続期間延長、小売業者などが使用する商標の保護の拡充が図られている。
 また、我が国産業の国際競争力強化に貢献することを目的にして、昨年1月には「イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン2007」が策定、公表され、知的財産を早期に権利化する環境整備が進められている。
 この「イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン2007」を受けて、特許出願の審査に関し、「出願の分割の要件」・「発明の単一性の要件」・「審査の進め方」について改訂審査基準が昨年3月に公表された。
 そこで、「発明の単一性の要件」を中心として、改訂された特許の審査基準について、創出された新規技術の知的財産としての適切な保護という観点から簡単な解説を行うと共に、知的財産の保護の動向を紹介すべく知的財産関係の裁判などの動向、画面デザインの保護、小売商標の保護、等々を中心とする改正意匠法・商標法の下での意匠・商標の保護の動向を紹介することとした。
以上

平成20年1月1日

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鈴木正次特許事務所

最終更新日 '08/5/7